マシンが人工的に意識を持つにあたって、必須と考えられている意識の様々な面が存在する。Bernard Baars は意識が役割を果たす様々な機能を提案した。人工意識の目的は、それを含めた意識の各相をデジタルコンピュータのような人工物で合成することである。そのリストは完全ではなく、カバーされていない面も多々ある。
直観と意識を判定する一般的な基準は自己認識である。「conscious(意識がある)」の辞書の定義を見ると「自身の置かれた環境、自身の存在、感覚、思考を自覚する」とある(dictionary.com)。1913年版のウェブスターでは conscious を「内部の意識体験、または外部からの観測によって知識を有する; 認識がある; 気づいている; 分別がある」と定義している。自己認識は非常に重要であるが、それは主観的で検証しにくいと言えるかもしれない。
Igor Aleksander は人工意識の重要な能力として、将来の事象を予測することを挙げた。彼の Artificial Neuroconsciousness: An Update で「予測は意識の重要な機能の1つである。予測のできない有機体は意識に深刻な障害を負っているだろう」と述べている。創発主義者ダニエル・デネットは『解明される意識』で、予測に関連する「多元的草稿」モデルを提案した。それは、現在の環境に最も適した「草稿」を評価・選択するという考え方である。
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もう1つの必要とされる面として「自覚; Awareness」がある。しかし、「自覚」についても定義上の問題がある。この問題を説明するため、哲学者デイビッド・チャーマーズは汎心論者の主張によればサーモスタットも意識があることになると逆説的に論じた(Chalmers 1996, pp283-299)。サーモスタットは、暑すぎる、寒すぎる、ちょうどよい温度という状態を持つ。猿の神経系をスキャンした実験によると、状態やオブジェクトではなくプロセスが神経を活性化させることが示された[7]。そのような反応は五感を通じて得られた情報に基づくプロセスのモデルによって説明されなければならない。そのようなモデルの作成には多大な柔軟性を必要とするが、予測を行うのに有益でもある。
意識を持つマシンは、個性を持つと考えられている。行動主義心理学では、個性は他者との関わりにおいて脳が生み出した錯覚であるとするやや一般的な理論がある。つまり、他者と関わりを持たない人間(および他の動物)は個性を持つ必要はなく、人間の個性は進化することはないだろうという説である。人工意識を持つマシンは、人間のオブザーバーと意味のある対話をする能力を有するものとする限り、個性を必然的に持つと考えられる。しかし、計算機科学者らが指摘するとおり、機械の個性を測るチューリングテストは汎用的に使える手法ではない。